Wi-Fiはつながるのに複合機が使えない!原因はネットワーク構成かも?

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「インターネットは問題なく使えるのに、なぜか複合機が使えない」

これは社内でよくあるトラブルの一つです。年に数回あります。なので、何年も努めている社内のインフラ担当からすれば、もう馴染み深いトラブルですね。
印刷できない、FAXが止まる、スキャンが共有フォルダに届かない。ITに詳しくない社員からすれば「ネットがつながってるのに?」と不思議に感じるかもしれません。実は、Wi-Fiが使えても複合機にアクセスできない原因はネットワーク構成や設定だったりします。
今回は、インフラ担当者の視点でよくある原因とその対策を解説します。

Wi-Fiと有線LANが別セグメントだった!

オフィス内では、Wi-Fiと有線LANが別のネットワーク(セグメント)に分かれているケースが少なくありません。たとえば、Wi-Fiは192.168.10.xxx、有線LANは192.168.1.xxxといったようにIP帯が異なる場合です。
複合機が有線LANに接続されているって会社、けっこう多いですよね。一方、PCやスマホがWi-Fiに接続されていると、それぞれの機器が別のネットワークに属してしまい、通信ができなくなります。

この場合、以下のような対処法があります。


・ルーター側で“セグメント間通信を許可する設定にする

・複合機のネットワーク接続をWi-Fi側にも見えるセグメントに変更する

・可能であれば、PCも有線で接続する(複合機と同じセグメントに揃える)

このような構成は、セキュリティ上わざと分けている場合もあるため、安易に統合せず、ネットワーク管理者に確認しながら進める必要があります。
ちなみに中小企業だとこの「ネットワーク管理者」が外部の保守会社になったりしますね。

弊社も手に負えないレベルになると、対応をお願いしてます。
さすがに本職のプロは仕事も対応も早いです。

複合機のIPアドレスが変わってしまった

もう一つ多いのが「複合機のIPアドレスが変わってしまった」ことで印刷やスキャンができなくなるケースです。
DHCPでアドレスが自動割り当てになっていると、再起動などのタイミングでIPが変わることがあります。PCから複合機を参照する際に古いIPのままだと、当然つながらなくなります。

解決方法は次のとおりです。


・複合機に固定IPアドレスを設定する(例:192.168.1.50など)

・IPアドレスを変更した場合は、PC側の設定(印刷ポートやスキャン送信先)も忘れず変更する

・DHCPサーバー側でMACアドレスに対する“予約設定”を行うのも有効

特にスキャン送信先やFAX通知先など、IP直指定している場合はトラブルにつながりやすいため、アドレス管理をきちんとしておくことが重要です。

ファイアウォール・セキュリティソフトによる通信遮断

もう一つ盲点になりやすいのが、PCやネットワーク機器に設定されたファイアウォールやセキュリティソフトの制限です。
複合機との通信には特定のポートが必要になります。これらがブロックされていると、印刷やスキャンがうまくいきません。
また、Windows Defenderなどのウイルス対策ソフトが、LAN内通信を制限しているケースもあります。

対策としては以下のようなものがあります。


・一時的にファイアウォールをオフにして確認する(恒久的にオフは推奨されません)

・該当のポートを“例外”に設定する

・LAN内通信(プライベートネットワーク)を許可する設定になっているか確認

もし、ある日突然使えなくなったという場合、セキュリティソフトのアップデートWindows更新が原因のこともあります。
話は変わるけど、帰宅しようと思ってパソコンをシャットダウンするときの強制アップデートってほんとになんなんですかね。

ケーブルの断線

意外と見落とされがちですが、「断線」は地味に多く、そして地味に厄介なトラブルです。
特に有線接続している環境では、これが原因で通信が途絶えることがたまにあるんですよ。
何をやっても復旧しない・・というとき、試しにLANケーブルを交換してみたら、すっとつながることがあります。
その瞬間は「よかった」と思うのですが、問題はそのあと。
復旧のために急きょ使ったケーブルを床に出しっぱなしにしておくと、また誰かに踏まれて断線、という悪循環になりかねません。
見た目も悪いですよね。ケーブルがそのままだとオフィスの景観を損ねてしまいます。
OAフロアであれば、床下に通せば済む話なのですが、そうでないフロアでは処理が面倒だったり、時間がかかったりすることもあります。
「とりあえず応急処置でつないでおいて、後でやろう」と思っていて、意外と放置されがちなのは割とあるあるです。
LANケーブルだけでなく、FAXを使っている場合には電話線の断線もありえます。
受信できない・・送信もできない・・そんなときは、機器ではなく配線そのものを疑ってみると、すんなり解決することがあります。

まとめ

Wi-Fiが使える=社内のすべての機器と通信できる」と思われがちですが、実際はネットワークの構成や設定によって、通信の可否は大きく左右されます。今回ご紹介したポイントをチェックすれば、トラブルの多くは早期に切り分けが可能です。この切り分けは本当に大切です。何が起こっているのか、どこを確認すればいいのか、どこまでつながっているのか、など問題を一つ一つ見ていくことが解決の近道です。
複合機がつながらない、というシンプルなトラブルも、背後には意外と複雑な仕組みが隠れているものです。インフラ担当としては、社内の混乱を未然に防ぐための地道な努力が求められる部分ですね。

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