部下がいない管理職は大変?

仕事

「管理職」と聞くと、どんなイメージを持ちますか?
部下を束ね、会社の目標に向かって、それぞれの領域で結果を出すために、多忙を極める──。
おそらくどこの会社も似たような感じでしょう。

中小企業だと兼務することが多く、担当する役割は自然と増えがちです。
製造部が品質管理を兼ねたり、企画部が営業に回ったり。総務と経理が一緒というのも珍しくありません。わたしもその一人です。

これまでも何度か書いていますが、わたしは複数の担当を抱えつつ、部下がいない管理職 です。本来なら部下に任せるはずの業務を、上司であるわたし自身が手を動かしてこなしています。仕事の範囲は広いのに、実働の人員は自分ひとりなんですね。
今回は、わたしが日々どのように業務を進めているか、そしてそこから感じていることやキャリアの課題について書いてみたいと思います。

日々の工夫と仕事の回し方

① 他部署のフォローで自分の仕事は夕方から

中小企業では、どうしても「手が空いている人」が助け合う文化があります。わたしも他部署のフォローに回ることが多く、気づけば自分の仕事に取り掛かれるのが夕方、という日もあります。残業確定なので、こうなるとぐったりはしますね。
特に社内で大きなイベントに取り掛かっているときなどは、よくこういった状況になります。事前にわかっているとまだ納得できますが、予想外に仕事がずれ込むと、負担感が強いです。もう、お酒が飲みたくなりますよね笑

② 納品書や郵便物は後回しにして休日に片付け

優先度の低い業務はどうしても後回しになります。
どういった仕事を後回しにしてるのか、というと、納品書整理や郵便物の開封がそうなりがちですね。机に積み上がり、結局休日にまとめて片付けることも少なくありません。これは効率的ではありませんが、「全部を平日に処理するのは無理」と割り切り、ルーティン化することで精神的負担を減らしています。

③ 打ち合わせはまとめて効率化

火曜日の11時から打ち合わせ。水曜日の14時から打ち合わせ、というように会議などがバラバラに予定されると、仕事のリズムが途切れてしまいます。
そこでわたしは可能な限り打ち合わせは同じ日に集約し、オンラインミーティングを積極的に活用するようにしています。
対面のMTGも好きなのですが、ついつい話過ぎてしまったり、なんなら次にお約束している方が早く来てしまって、応接室前の椅子でずっと待たれていたり、というシチュエーションがたまにあります。
こういう時、どうも気を使ってしまうんですよね。気疲れの元です。相手は気にしないんでしょうけど。
オンラインMTGだと時間通りに始まって、大体は時間通りに終わります。MTGの可視化を進めることで、「今日は会議日」「今日は作業日」とメリハリがつけるようにしています。

④ AIを使って時短を図る

文章の草案づくりやデータの整理など、AIを活用して効率化しています。以前わたしがどんなAIを使って、どんな仕事に役立てているかは記事にしたので、よければ参考にされてください。

経理がAIをどう使う?現場で役立つ活用例を紹介 | ひとりかんり

人手不足を補う有効な手段として積極的に取り入れています。部下がいない以上、「自分の時間をどう増やすか」が鍵になります。

⑤ スケジュール管理を徹底

タスクが多いほど「何から手をつけるか」で迷いますよね。
わたしは仕事の優先度を整理し、常に上位の業務は頭に入れて、スケジュール帳やアプリで簡単に確認できるようにしています。
部下がいれば任せられることも、自分がやるしかありません。
この「優先順位を決める力」は磨かれていると感じますし、役に立ちますね。
ちなみに、締め切りが近いものや絶対に守らなくてはならないものを優先的に処理することが多いです。

肩書きと実態のギャップ

名刺の肩書は「管理職」でも、実際には一人で業務を抱えています。
部署という集団に見えて、ソロなんですよね。
これが結構、心理的なギャップになっていたりします。
まず、孤独感ですね。
同じ立場の仲間が少なく、悩みを共有できる相手がいません。
愚痴を言える相手がいないので、なんか、スッキリしないことはあります。
次に、承認欲求の不足です。部下からの感謝や成果が可視化されにくいんですよ。
別に「いいね」が欲しいわけではないんですが、チームで一丸となって、とかねぎらいあって、とかが全くないもので。
淡々と仕事が片付いていく感じです。たまには部署内で「決算おつかれさまー」とかやりたいんですけど。
そして、肩書きと実態の乖離です。
管理職と呼ばれながら、実態はプレーヤーなんです。
この状態は「自分は管理職なのか?」という疑念にもつながります。

普通に矛盾してます笑

わたしの仕事を評価するのは、わたしなので。

最終的には社長が評価してはくれますが、普段の仕事をいちいち見ているわけではありませんよね。
社長からすると、わたしは管理職でもいちプレイヤーでも変わらないんだろうな、とは思ったりします。

キャリア上の不安と可能性

では、この経験はキャリアにどう影響するのでしょうか。

一般的に転職市場では「マネジメント経験の有無」が重要視されます。部下を率いた実績がないと、同じ管理職ポジションを狙う際に不利に働くこともあります。

一方で、ポジティブに捉えれば「専門職型管理職」としてキャリアを積んでいるとも言えます。特定分野を兼務し、広範囲に業務を回す力や、社内横断で調整するスキルは、プロジェクトマネジメントやゼネラリスト型の評価につながるのです。

つまり「人をマネジメントした経験はないが、業務をマネジメントした経験がある」という実績をどう整理して伝えるかが重要になるのかな、と思います。

まとめ

部下のいない管理職は、成果を直接伸ばす存在ではないかもしれません。実際のところ「部下が欲しい」「せめてチームで動きたい」と思うこともあります。

その一方で、ひとりで動ける気楽さや、自分の裁量で業務をコントロールできる面白みもあります。まさにプラスとマイナスが同居する立場です。

孤独や肩書きとのギャップに悩む瞬間もありますが、日々の業務改善、AIの活用、優先度管理といった工夫を重ねることで、自分なりのスタイルを築くことは可能です。そしてその経験は「人を率いるマネジメント」とは異なる形で、確かなキャリアの武器になります。

同じような状況にある方にとって、少しでも共感やヒントにつながれば嬉しいです。

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