上司が退職して、経理をひとりで任されることになったあなたへ
「どうすればいいのか分からない」「ストレスが限界」——そんな気持ち、わたしも痛いほどわかります。
わたし自身、同じように“経理ひとり体制”になって戸惑った経験があります。
今回は、その時にわたしが実際にやったことや、悩みながら見つけたやり方について書いてみました。
少しでもヒントになればうれしいです。

「え、私ひとりで全部やるの?」——上司の退職から始まった
年齢もご高齢であったわたしの上司。
「退職したい」「そろそろ辞めるから」と定年退職を願ってやまない方でしたが、ある時、仕事がきれいに区切りがつくタイミングが見えたようで、「ここで辞める」と本当に退職することが決まりました。
引き継ぎも一応ありましたが、正直・・その時はピンとこなかったですね。
仕事の内容として、報告ラインが上司から社長に変わった、という程度の認識でした。
やることがそこまで変わらないように感じていたからかもしれません。
上司の不在を実感したとき
売上の低迷やトラブルが起きた時。
これまではまず、上司に相談していました。
ところが。
ここで実感します。
「・・え?誰に相談すればいいの?社長?」
そう、自分が相談する相手は社内にはおらず、自分の責任・判断でその問題の解決案を作り、社長に提案する立場になったのです。
上司がいなくなったことで一番変わったのは、この責任の重さかもしれません。
売上が下がってきたら?現金レベルが下がってきたら?
今までは相談相手がいて、自分にはない視点や意見を元に解決案を作ってきました。
自分ひとりだけの案だと、なかなか「これでいいのかな?」とその案に確信が持てないものです。
そんな時にはどうすればいいのか。
まずは、上司の仕事をマネすることです。
同じような場面で、上司がどうやって解決していたか。
これまでの資料を見てみることからはじめましょう。
資料を見てみれば、
「以前、売上が低迷したときには、新しいキャンペーンを始めて盛り上げようとしていたな。」
「現金レベルが下がって来たときはどうだったのか。」
「銀行へはどのタイミングで相談したのか。」
そういったことが読み取れます。当時のメモなんかがあれば、もっといいです。
会社の歴史を一つの指針にする、という感じですかね。
他にどんなやり方があるのかを調べてみた時でも、その指針があれば比較ができますね。
「インターネットで紹介されていた方法も参考になるけれど、昔この会社で実際にやってたやり方のほうが、今の状況にはしっくりくる気がする。」——そんなふうに考えることもできます。
どうやればいいのか、が見えてくると、少しずつ不安が和らいでくるものです。
使えるものは、使おう
それでも解決できないような時には税理士の先生などの外部の専門家に頼ってしまうのも手です。
部署にひとり、といえども、すべてをひとりで解決することはなかなか難しいですから。
ちなみにわたしは今でも、仕訳に自信が持てないときなんかは税理士事務所の担当者に聞いてみることがあります。
どうせ決算の時に指摘されるのなら、はやめに聞いてしまおう、って思っちゃうんですよね。
仕訳に関しては、AIよりも顧問の税理士に聞いたほうがいいと思っています。
AIは一般論で返してきますけど、会社によって処理は全然違いますからね。
セルフチェックを徹底します
ひとりになったばかりの時に、地味に困ったことがあります。
オンラインバンキングでの振込処理です。
弊社は毎月数百件の振込を行っているのですが、アプリやシステムで自動化されていないものも結構あります。
つまり。
振込先と金額、日付を確認して、手動で振り込むんです。
怖いですよね笑
特に金額のミスは大変なことになります。
経理が複数人いればWチェック体制をとることができます。
実際に弊社もそうでした。
わたしが振込の予約をして、上司に確認・承認をしてもらう。
それが今は、わたししかいません。
いないものはどうしようもないので、振り込むときにはセルフチェックを徹底します。
日付、金額等をよく見て、間違えていないかを2回、3回と確認する。
銀行で、パソコン画面を指さして、数字を口にしている人を見たことがあるのですが、あんな感じでやってます。
システム化してデータを使って振り込めると、こういう心配はなくなるんですけどね・・

わたしが上司の退職後に実践したことを少し、書いてみました。
他にも当時の悩みや工夫はまだまだあるので、それはまた、次の機会に少しずつ書いてみようと思います。
経理や総務の仕事で「ひとりになって辛い」と感じている方の参考になればうれしいです。
これからも、ひとり経理・ひとり総務のリアルなやり方や工夫を発信していきます。
またお時間のあるときに、のぞいてみてください。
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