AIの進化が止まりません。
登場してわずか数年で、司法試験に合格するほどの能力を持つようになり、
「AIが仕事を奪う」なんて言葉も、いよいよ現実味を帯びてきました。
司法試験に合格って・・・普通にすごいですよね。
経理というホワイトカラーの仕事をしていると、どうしても気になります。
自分の仕事はこの先どうなるんだろう?
これから何を学べばいいんだろう?
そんな不安を抱えつつも、実務の中でAIを使っていると。
正直、恐怖よりも「面白い」「助かる」という感情のほうが大きくなりました。
経理とAIについては、以前にも記事にしています。よければそちらもご覧ください。

今回は、経理の現場でAIがどのように役立ち、どこに限界があるのか。
そして経理の仕事はこれからどう変わっていくのか。
実務者の視点で書いてみました。
AIの勢いは、想像以上に早い
AIの進化は、あまりにも速い。
ChatGPTの登場からまだ数年しか経っていませんが、すでに世界中のビジネスを変えています。
特に感じるのは、「AIの話題を避けて通れなくなった」ということ。
取引先の営業さんと話していても、同業他社の経理担当者と話していても、
AIがどう使えるのか、どこまで任せるべきなのか、といった話題が自然と出てくるようになりました。
昔から手作業がパソコンに置き換わる流れはありましたが、
AIによる変化は「置き換えの範囲」が圧倒的に広い印象があります。
パソコンを覚えるにはタイピングは避けては通れません。
あの練習、結構苦痛に感じる人が多いんですよね笑
かつての上司は最後まで、指2本でタイピングしていました。
使うのは人差し指のみ、です笑
でも早いんですよね笑
では、AIはどうでしょうか?
タイピングどころか・・最悪やってほしいことを音声で伝えてもいいですよね。
利用するハードルが低い、ということも普及が広がった要因かな、と感じています。

「AIでなくなる仕事」より、「変わる仕事」が増えている
実務の中でAIに触れていると、
「経理の仕事がなくなる」というより、「仕事の質が変わる」
という表現のほうがしっくりきます。
例えば。
・資料の挿絵は、AIが一瞬で作ってくれる
・プレゼン資料は、AIに構成を考えてもらうと時短になる
・月次の分析で「気付いた意見」をもらうと視点が増える
・調べ物の時間が、以前より圧倒的に減った
こうした置き換えが進むことで、人がやる部分はより知的で、判断のいる仕事に寄っていくと感じます。
特に、資料の挿絵はやばいですね。
Adobeなんかで作ると操作から大変ですし、イメージを作るのも悩みますよね。
AIに「こんな感じで、色はこう、仕事で使う資料に」という雑な指令を出しても、それなりの画像が出力されます。
プレゼン資料も、あっという間にできますね。
わたしはCanvaを使っていますが、なんなら手直しなしでそのまま会議に使えます。
月次の分析なんて、ひとりしか部署にいないわたしには非常にありがたいです。
作った数字に対して、誰かの意見が欲しくなる時ってあるじゃないですか笑
まとめると、AIが強いのは「情報を集め、整理し、表現する力」ですね。
対して、人間が必要なのは「背景を読み、判断し、責任を持つ力」といったところでしょうか。
経理の仕事は、この2つを組み合わせるとさらに強くなります。

それでもAIには踏み込めない領域がある
AIの進化はすごい!すごい!と書いてきましたが・・・
どれだけAIが進化しても、経理としてどうしても任せられない領域があります。
それは、AIは責任を取れないというシンプルな理由です。
経理の業務には、責任の重い仕事がいくつもあります。
税金の計算
給与計算
月次・年次決算
契約や請求の最終判断
どれも「間違えたのはAIのせいです」では済まない業務ばかりですね。
だからこそ、AIを使うときは「サポートをしてもらう」という感じで、任せるというより「確認する相手が増えた」くらいの感覚でいると、ちょうどよいと感じています。
「この仕訳で合ってるかな?」
「この分析の見立て、どう思う?」
そんな感じでAIを使うと、非常に心強いですね。
AIに判断を丸投げするのはまだ抵抗があるし、危険だと思います。
しかし、考えを整理し、抜け漏れを減らし、視野を広げてくれるパートナーという位置づけであれば、大変便利ですね。

経験と直感は、まだAIには真似できない
長く経理をしていると、数字を見た瞬間に
「あれ、この費用、いつもと違うな」
「この仕訳は少し不自然だな」
といった違和感が働くことがあります。
不思議な感覚ですね。
AIは膨大なデータから推測するのは得意ですが、
企業ごとのクセや文化を踏まえた判断はまだ難しい印象です。
・同じ業界でも会社によって勘定科目の使い方が違う。
・仕入れのタイミングに独特の波がある。
・その会社特有の数字のゆれがある。
こうした文脈を読むのは、現場の人間だからこそできることですね。
いずれはAIもこの領域まで来るのでしょうか?
そうなったとして、読み込ませるデータをどうやって、誰が用意するんですかね。
過去数年分、あるいはもっと長い期間の帳簿やら資料を読み込ませます?
紙のものも多いんですけど。
個人情報とかもどうするんでしょうかね。
まとめ
AIの進化は、これからも加速するでしょう。
来年、再来年には、今では考えられないようなこともできるようになっているかもしれません。
それでも、経理の仕事がなくなるとは思いません。
なくなるのは
「AIで十分できる作業」であり、
残るのは
「人が判断し、責任を持つ領域」です。
そして、経理はその両方を扱う仕事。
だからこそ、AIと競うのではなく、AIを武器として使う人がこれから強くなります。
これはたぶん、これからも変わらないでしょうね。
わたし自身、まだまだ学んでいる途中ですが、AIと一緒に仕事をするようになって、
経理の仕事がより面白く感じるようになりました。
恐れるのではなく、試してみて、任せるのではなく、一緒に考えてみる。
そんなスタンスで向き合えば、AIはきっと、経理にとって頼りになる味方になるはずですよ。

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