価格改定は、悪なのか

仕事

円安、原価の高騰、人件費の上昇。

戦争や世界情勢による原油価格の変動もありますね。

最近、いろいろなところで「値上げ」のニュースを目にします。

食品も上がる。

日用品も上がる。

電気代も上がる。

以前と同じものを買っているだけなのに、支払う金額は確実に、増えてきてますね。

そのどれも関係ない、という会社は少ないのではないでしょうか。

弊社?

弊社は、フルコンボです(笑)

原料の輸入が基本の会社ですからね。

円安になれば仕入価格に影響しますし、海外から運んでくる以上、輸送費もきついです・・

人件費もあがってますね。

ひとつならまだ吸収できるでしょう。

ふたつ重なっても、なんとかなるかもしれない。

でも、いろいろなものが同時に上がってくると、さすがに企業努力だけではどうにもならないです。

そうなってくると、価格改定が議論されます。

値上げは、できればしたくない

価格改定というと、消費者からすればあんまり良いイメージはありません。

「また値上げか」

そう思いますよね。

わたしだって買う側なら同じです。

昨日まで1,000円だったものが、今日から1,200円になっていたら、うれしいはずがありません。

企業側だって、できれば値上げはしたくありません。

価格を上げれば、お客様が離れるかもしれない。

購入する数量を減らされるかもしれない。

競合の商品に切り替えられるかもしれない。

値上げによって利益率が改善しても、販売数量が大きく落ちれば意味がありません。

価格改定とは、単純に「高く売れば利益が増える」という話でもないのです。

だから、できることなら今の価格を維持したい。

仕入先と交渉したり、経費を削ったり、作り方を見直したり。

いわゆる「企業努力」で、なんとか吸収しようとします。

ただ、その企業努力にも限界があります。

値上げしないことにも、リスクがある

100円で仕入れていたものが120円になった。

それでも販売価格を変えなければ、その20円は会社が負担することになります。

さらに人件費も上がる。

輸送費も上がる。

電気代も上がる。

それでも販売価格だけを変えないのであれば、利益を削っていくしかありません。

その商品の価格設計に「ある程度の余裕」があれば、原価が上がったからといって、すぐに値上げが必要になるわけではないでしょう。

数回程度の仕入れなら、利益率を落とすことで吸収できることもあります。

「今期は利益が少し減るけど仕方がない」

それで済むうちは、価格を据え置くという判断もできます。

でも、上がった原価が戻らない。

さらに次の仕入れでも上がる。

その状態が続けば、最初に持たせていた余裕もなくなっていきます。

どこかで限界が来ます。

値上げするのか。

商品をやめるのか。

場合によっては、その事業そのものから撤退するのか。

何かを選ばなければいけなくなります。

価格を変えることにはリスクがあります。

でも、価格を変えないことにもリスクがあるのです。

ライバルの商品が、ひとつずつ消えていく

同じ業界で長く仕事をしていると、競合他社の商品もなんとなく覚えています。

「あの商品はうちの商品と競合するな」

「価格では向こうが強いな」

「この分野ではあの会社が強いな」

そんなふうに見ています。

ところが最近、今までライバル企業だった会社の商品ラインナップから、同じ商品が消えていくことがあります。

以前は確かにあったのに、もう作っていない。

在庫切れ、品切れ。

オンラインショップがそんな表記に変わっているのです。

もちろん、廃番になった本当の理由はわかりません。

売れなくなったのかもしれないし、会社として別の商品に力を入れることにしたのかもしれない。

ただ、原価高騰に耐えられなくなった商品もあるのでしょうね。

その気持ちは痛いほどわかります。

なかなか複雑な感情がよぎりますよ。

その商品を作っていた人たちは今、何を思うのでしょうか。

長く作ってきた商品なら、思い入れもあったでしょう。

営業してきた人もいる。

製造してきた人もいる。

その商品を買ってくれていたお客様もいる。

そう考えると、商品がひとつなくなるというのは、小さな話ではありません。

・・なんて考えるのですが。

実際、割とさっぱりしているのかもしれません(笑)

少なくとも、弊社の開発者たちは、笑い飛ばしていますね。

作れなくなったものを惜しむより、今の市場で何を作れるか。

次を見ています。

作れないものより、作れるものを考える

自分の会社だけが苦しいわけではありませんからね。

同じ市場にいる以上、似たような問題を抱えている会社はたくさんあります。

原料が高くなった。

輸送費が上がった。

人件費も上がった。

昔と同じ条件では作れなくなった。

だったら、

「昔の価格で、どうやって作り続けるか」

だけを考えるのではなく、

「今の市場で作れるものは何か」

を考える。

採算が合わなくなった商品をやめて、新しい商品を生み出す。

売り方を変える。

市場を変える。

使う原料を見直す。

そうやって次に進む。

そのほうが、ずっと建設的です。

商品をやめることも、価格を上げることも、必ずしも「負け」ではありません。

今の環境に合わせて会社を変えていくために、必要な判断です。

価格改定は、悪なのか

では、価格改定は悪なのでしょうか。

もちろん、買う側にとって値上げはうれしくありません。

企業側だって、お客様に負担をお願いすることになります。

だから、安易に価格を上げればいいとも思いません。

一方で、

「値上げしない会社=良い会社」

とも言い切れないと思うのです。

無理をして価格を維持して、その商品自体がなくなってしまったら。

あるいは、そこで働く人の賃金を上げられなくなったら。

必要な設備投資ができなくなったら。

会社そのものが続かなくなったら。

それが本当に、お客様にとって良いことなのか。

価格改定の資料を作っていると、どうしても「いくら上げるか」に目が向きます。

5%なのか。

10%なのか。

この商品はいくらまでなら受け入れてもらえるのか。

数字を並べて、利益率を計算して、販売数量が落ちた場合のことも考える。

でも、本当に考えているのは、その先なのかもしれません。

この価格で、この商品をこれからも作り続けられるのか。

価格改定は、誰かに喜ばれる仕事ではありません。

できれば、やりたくない。

それでも必要な価格改定なら、やるしかありません。

値上げする。

商品をやめる。

新しい商品を作る。

どれを選んでも、以前と同じではいられません。

価格改定は、悪なのか。

わたしは、そうは思いません。

変えずに赤字を出し続けるくらいなら、価格を変えて、もう一度市場に商品の価値を問う。

この価格でも、この商品を選んでもらえるのか。

それでも選んでもらえるなら、これからも作り続ければいい。

受け入れてもらえないなら、それまでですね。

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