会社が事業の方向性を変えようとしています。
色々分析してみたり、調べてみたりしたのですが。
機会があったので、商工会議所へも相談に行ってきました。
何か一つでも得られればいいな、という気持ちです。
特に。
これから必要になる資金について、有益な調達方法も聞けたらいい。
そんなことを考えながら、暑い中、商工会議所へ向かいました。
結果として、行った甲斐はありました。
中小企業診断士との50分
今回相談に乗っていただいたのは、中小企業診断士の先生です。
相談時間は50分。
せっかく専門家に相談するのだから、「会社の経営について相談したい」という漠然とした話ではもったいない。
そう考えて、相談したい内容をある程度具体的に整理し、必要になりそうな資料も紙にプリントして持っていきました。
3期分の決算書や、今後のシミュレーションなんかですね。
もちろん、会社概要や名刺も、です。
最初に話したのは、今回の相談に至った背景でした。
弊社がどんな会社なのか。
今、どんな状況に置かれているのか。
そして、なぜ経営方針を変えようとしているのか。
そのうえで、
「経営方針を変えた場合、会社はどうなるのか」
「何に備える必要があるのか」
そんな話をしました。
第三者から会社を見るということ
実際に相談してみて興味深かったのが、第三者から会社を見る視点でした。
一つひとつの事実を別の角度から評価し、それを整理しながら積み上げていく。
自分たちが当たり前だと思っていたことも、外から見ると違って見える。
これが専門家の視点なのかもしれません。
同時に、「第三者であること」そのものにも意味があるように感じました。
当然ですが、先生は弊社のすべてを理解しているわけではありません。
話を聞いたのは、まだ10分、20分程度。
わたしが用意していた決算書も、結局、鞄から出すことすらありませんでした。
それでも、話には説得力がありました。
なぜか。
そこで出てきたのが、他社の事例だったからです。
経営危機に陥った会社は、どう動いたのか
具体的な企業名は伏せますが、過去に経営危機に陥った企業が、そこからどのような取り組みを行ったのか。
そんな話をいくつも聞きました。
V字回復を果たした会社。
M&Aによって経営者まで変わった会社。
もちろん、どの事例も弊社にそのまま当てはまるわけではありません。
会社が違えば、規模も違う。
商品も違う。
従業員も、顧客も、置かれている環境も違います。
それでも、実際に苦境に立たされた会社が、
「何を考え」
「何を変え」
「その結果どうなったのか」
という過程を知ることには、大きな意味がありました。
特に印象に残ったのは、そこで働いていた人たちの声です。
専門家が実際に関わる中で聞いてきた、生の情報。
「私の知り合いが、その会社で働いていてね」
そんな内部情報がどんどん出てきます。
この人はどれだけの会社の情報を見てきたのでしょうか。
もちろん、話せないこともたくさんあるのでしょうが。
AIに質問すれば、経営改善の方法はいくらでも出てきます。
市場を分析する。
固定費を削減する。
新しい顧客層を開拓する。
資金調達を検討する。
どれも間違いではありません。
でも、「実際にそれをやった会社がどうなったのか」という話には、重みがありましたね。
私が持ち帰ったのは、解決策ではなかった
50分の相談を終えて。
結果として、わたしが手にしたものは、弊社の問題を解決する方法ではありませんでした。
先人たちが、経営危機の中でどう動いたのかという軌跡や実績のようなもの。
それが収穫です。
考えてみれば、そもそも外部の人に「答え」を求めていたこと自体が間違っていたのかもしれません。
弊社の実情を本当に知っているのは、弊社の中にいる人間です。
10分、20分話しただけで、
「御社はこうすれば大丈夫です」
なんて答えが出てくるはずがありません。
それは無理な話ですね笑
むしろ、そんな簡単に答えを出されるほうが怖いです。
外部の専門家に求めるべきなのは、「答え」ではないのでしょう。
他社がどう動いたのか。
何に失敗したのか。
何が転機になったのか。
そして、自分たちとは違う立場から見たとき、この状況がどう見えるのか。
答えではなく、考えるための材料をもらう。
それが、外部の専門家に相談する一つの価値なのだと思います。
答えは社内に、材料は社外に
経営について悩んでいると、どうしても「正解」を探したくなります。
わたし自身、今回の相談にも、どこかでそれを期待していました。
でも、50分話してみて、少し考え方が変わりました。
自社の経営について、最後に答えを出すのは自分たちです。
一方で、その答えを考えるための材料まで、自社の中だけで集める必要はありません。
専門家の経験。
他社の事例。
違う業界の取り組み。
第三者から見た意見。
そうしたものを外から集めて、自社に持ち帰って考える。
今回の商工会議所への相談で得たものは、それでした。
暑い中、わざわざ足を運んだ甲斐はあったと思います。
そして、これから経営方針を考えていくうえで、
「答えを探すのではなく、判断材料を増やす」
という視点は、忘れないようにしたいと思います。

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