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採用面接というと、候補者と話している1時間を思い浮かべるかもしれません。
「本番」は間違いなくその時間なのですが、実際はその前後にも意外と時間を使います。
募集内容の確認。
質問の準備。
候補者の経歴の整理。
面接後の評価コメントや社内共有。
なんなら、面接そのものより周辺業務のほうが重たいこともあります。
では、AIは面接官の代わりになるのでしょうか。
結論から言えば、代わりにはなりません。ですが、面接官の仕事はかなり減らせます。
実際に面接にAIを使って感じたことを書いてみます。
面接は「話す時間」だけではない
面接というと、応募者と話している時間を思い浮かべるかもしれません。
しかし実際には、その前後に多くの仕事があります。
まず大切なのは、求人内容です。
求人内容は、紹介会社に伝えるための情報でもあります。ここがブレていると、こちらが欲しいと思える人材に応募してもらうことが難しくなります。
どんな人に来てほしいのか。
どんな経験やスキルを求めているのか。
入社後に、どのような仕事を任せたいのか。
これらをしっかり作り込み、応募者に届く内容にしておく必要があります。そのため、紹介会社など外部の方にアドバイスをもらい、内容を修正することも多いです。
そして、面接で特に大切になるのが、応募書類と質問準備です。
応募書類とは、履歴書や職務経歴書のことです。
私はこれを、応募者からのプレゼン資料だと考えています。
最近はAIを使って書類を整える方も増えていますし、手書きの書類を見ることはほとんどありません。場合によっては、紹介会社がテンプレートを用意しているため、同じようなフォーマットの書類が届くことが多いですね。
そうなると、差別化するためには、書類の「内容」にかかる比重が大きくなります。
自分がどのようなキャリアを歩んできたのか。
これまで、どのような成果を上げてきたのか。
自己PRや志望動機から、何を伝えようとしているのか。
応募書類には、応募者を知るための大切な情報が詰まっています。
同時に、こちらが求める応募条件を満たしているかも、この書類から確認します。資格や学歴などを条件としている場合、その確認は必須です。
そして、書類選考を通す段階で、面接時に確認したい質問も考えておきます。
気になった点。
もう少し深掘りしたい点。
書類だけでは判断できない点。
こうした確認事項を事前にまとめておくと、面接の価値はかなり高まります。
面接そのものは、ある程度流れが決まっています。
しかし、実際には面接が終わった後の評価整理に時間をかけることが多いです。
面接官が複数いる場合、それぞれの印象や意見を交換し、取りまとめたうえで、次の面接に進めるのか、場合によっては内定を出すのかを判断していきます。
ちなみに弊社では、この評価整理に一番時間をかけています。
人数の少ない中小企業では、新入社員がもたらす変化が大きくなるんですよ。
だからこそ、採用判断には慎重になります。
面接は、ただ話す時間ではありません。
その前の準備と、その後の評価まで含めて、ようやく一つの採用業務になるのです。
AIが役立ったのは、面接の「前」より「後」だった

ここはAIがかなり役立ちます。
たとえば、面接前であれば、
- 職種に応じた面接質問案
- 志望動機を深掘りする質問
- 転職理由の確認ポイント
- コミュニケーションを見るための質問
- 候補者からの逆質問の想定
こういったたたき台を作るのは得意です。
ゼロから考えるより、かなり楽になります。
もちろん、そのまま使うのではなく、自社に合わせた調整は必要です。
なお、応募者の履歴書そのものをAIに読み込ませるような運用はしていません。
個人情報の観点から、弊社ではその取り扱いはNGです。
AIを使うのは、あくまで個人情報を直接扱わない範囲です。
ただ、今回実際に使ってみて、より便利だと感じたのは面接の後でした。
面接が終わると、面接官同士で感想を共有し、評価を整理する時間があります。
ここが意外と難しいんですよね。
頭の中には印象が残っています。
「悪くなかった」
「少し気になる」
「話しやすかった」
「なんとなく違和感がある」
ただ、それを他の人にも伝わる言葉にするのは意外と難しいものです。
「なんとなく良かったよ」と言われても、「では採用しましょう」とはなりません。
採用判断には、もう少し具体的な理由や共有できる言葉が必要です。
そのため、思ったことや感じたことをそのまま羅列するだけで、伝わりやすい文章に整理してくれるのは、助かりますね。
印象の言語化、と言った方が近いかもしれません。
また、自分の感じた違和感や印象を整理しながら、「なぜそう感じたのか」を考える壁打ち相手としても役立ちました。
- どんな人柄に見えたのか
- どういう話し方だったのか
- なぜ違和感を覚えたのか
こういった曖昧な感覚を整理するとき、AIは優秀です。
思考がスッキリし、面接官同士の印象共有にも役立ちました。
AIは面接官の代わりにならない
本題です。
AIは面接官の代わりになるのか。
わたしの答えは、NOです。
ここまで、AIは面接のときに便利だよ、と書いてきましたが、面接官の代わりにはなりませんね。
理由は、面接が「情報整理」ではないからです。
面接で見ているのは、こんな部分です。
- 空気感
- 表情
- 返答までの間
- 質問への温度感
- 良く見せようとしている違和感
- 本音で話しているかどうか
最近の面接でも感じましたが、正解を話している人はいます。
本当によく勉強して面接に臨んでくる応募者は多いです。
HPはもちろん、InstagramなどのSNSまでしっかり確認し、しっかりリサーチして臨んできます。
質問もしっかり想定してきており、頭に入った答えがスラスラと口から出てくる印象です。
内容としては整っている。
おそらくAIが面接をしていれば、どんどん内定を出すと思います。
でも、そのやりとりには温度がないことがあります。
こういう違和感は、文章だけでは見えません。
ここは、人が見る仕事だと思います。
わたしは仕事を
作業・判断・仕組み
で分けて考えることがあります。
AIが得意なのは、作業を軽くし、仕組みに組み込みやすくすること。
でも、最後の判断はまだ人の仕事です。
面接もまさにそうだと思います。
まとめ
AIは、面接官の代わりにはなりません。
ただ、面接官が本当に見るべき部分に集中する時間は作ってくれます。
質問を考える時間。
文章をまとめる時間。
整理する時間。
そういった周辺業務を軽くしてくれるからです。
AIに判断を任せるのではなく、判断するための時間を作る。
面接におけるAIの役割は、そのくらいがちょうどいいですね。
いつかAIが応募から採用まですべて担当したときに、どんな人材がやってくるのか見てみたくはありますが。

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