退職だけでなく、最近は休職する社員も増えているように感じます。
育児休業であればおめでたい話ですが、病気などを理由に長期間休むケースもありますね。
もちろん、休職そのものは仕方のないことです。
誰にでも起こり得ますし、無理をして働くべきでもありません。
ただ、その人が担当していた仕事は残ります。
そして、その仕事を誰かが引き継がなければなりません。
いなくなる「担当者」
しっかりとしたマニュアルが整備されていればいいのですが、現実はそんなにうまくはいきません。
いきなり休むことになってしまって、何の準備も出来ていないこともあるでしょう。
マニュアルが存在しないこともありますし、仮にあったとしても、その人しかできない仕事になっていることもあります。
「属人化」というやつですね。
簿記の知識がない人に仕訳を切ってもらうのは難しいですし、プログラムを書いたことがない人にシステム改修をお願いするのも現実的ではありません。
弊社でも、休職者が担当していた業務を複数人で引き継ぐことになりました。
一人では対応できないので、チームを組んで対応する形です。
正直言って、その時はなんとなく回っていたんですよ。
多少の苦労はありましたけどね。
大きな問題もなかったので、そのやり方を続けていました。
ところが。
ある時ついに綻びが出ました。
内容にミスがある。
納期にも間に合わない。
気付けば社長まで巻き込む騒ぎになっていました。
そして当然のように怒られるわけです。
「抜けた穴は私たちで埋めます!」
そう言って集まったチーム全員が。
これはきついですよ笑
誰も好き好んで手を挙げたわけではないですからね。
誰かがやらないといけないので、引き受けたのです。
会社のためになると思って動いたのに、結果として評価を下げてしまうわけで。
いやぁ、なかなか世知辛い話です。
ただ、冷静に振り返ってみると、問題はもう少し深いところにあるように思います。
頑張っているのに、なぜうまくいかないのか
今回の件、表面的には「担当者が休職して、引き継ぎチームが失敗した話」に見えます。
もちろん、属人化の問題もあります。
ただ、それについては以前も触れているので、今回は別の部分について考えてみました。
なぜうまくいかなかったのか。
まず、休職者の穴埋めで集まったチームというのは、往々にして横並びになります。
みんな協力している。
誰もサボっていない。
誰も悪意がない。
それなのに、なぜか成果が出ない。
その理由の一つが、「最終的に誰が判断するのか」が決まっていないことです。
チームで動いているように見えても、最後に責任を持って判断する人がいなければ、仕事は前に進みません。
誰が最終確認をするのか。
誰が納期を管理するのか。
誰が社長へ報告するのか。
チームとして動いているようで、そのあたりが曖昧だったのです。
人数が増えれば強くなるわけではありません。
責任者がいないチームは、思っている以上に脆いものです。
今回実感しましたね。

善意だけでは仕事は回らない
もう一つ大きな問題があります。
それは、慣れない仕事を担当することです。
例えば、簿記の知識がない人に仕訳を切ってもらう場面を想像してみてください。
しかも、その仕訳を間違えたら怒られる。
これはなかなか怖い状況ですよ。笑
当然、不安になります。
不安だから確認しますよね。
その結果、確認が増えます。
その確認を受ける側の時間も、奪われます。
どんどん社内のリソースを消費していくわけです。
本人は頑張っている。
確認を受ける側も協力している。
それでも仕事は遅れます。
そして納期が近づく。
焦る。
さらに確認が増える。
気付けばチーム全体が疲弊しています。
誰かが怠けているわけではありません。
むしろ全員頑張っているんですけどね。
それでもうまく回らない。
だからこそ、担当者不在になってから慌てて人を集めるのではなく、普段から知識や業務を分散しておくことが大切ですね。
そして今回の件で、本当に怖いと感じたのは担当者不在そのものではありませんでした。
本当に怖かったもの
繰り返しですが、担当者が休職することも、退職することもあります。
それは起こり得ることです。
最もどうしようもなかったのは、その仕事を本当に理解している人が一人しかいなかったという事実でした。
手順を知っている人はいます。
作業を引き継ぐ人もいます。
しかし、その仕事が何のために行われているのか。
どこが重要で、どこに注意すべきなのか。
トラブルが起きた時に、どう判断すべきなのか。
そこまで理解している人が、他にいませんでした。
わたしたちにはそれがわからないので、前任者のやり方を再現することしかできません。
慣れない仕事に時間をかけて。
その結果、多くの人の時間と労力が消費されました。
今回足りなかったのは、人手ではありません。
仕事の全体像を理解し、判断できる人。
つまり「理解者」でした。
わかっていない担当者が何人いても同じでしたね。
理解者の重要性を再確認できた、という意味では良い勉強になりました。

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