良い人だった。でも採用しなかった。

仕事

先日、面接を行いました。

他部署の増員募集です。

募集していたのは物流業務です。

特別な資格や高度な専門性を求める仕事ではなく、比較的応募も集まりやすい職種でした。 

何人か面接を行い、関係者で採用可否を検討していたのですが、その中に20代前半の男性がいました。

いわゆる第二新卒に近い立場です。

専門学校を卒業し、学んだことを活かせるアルバイト先へそのまま就職。

経歴だけを見ると、とても自然なキャリアでした。

社会人経験はまだ短いため、良くも悪くも履歴書から読み取れることは多くありません。

ただ、この人手不足の時代に、その職種へ20代前半の方が応募してきたことは少し印象に残りました。

若手が来た、という事実

面接をしながら考えていたことがあります。

それは能力のことではありません。

本人は落ち着いていたし、感じも良かった。

健康で、スポーツ経験もあり、受け答えに問題もありません。

なにより若いですからね。

それこそこれからいくらでも伸びる可能性があります。

気になったのは別のことでした。

採用予定の部署は、平均年齢が40代半ば。

この方は馴染めるだろうか。

20歳以上年齢が離れた人たちと、一緒に仕事をしていくことになる

そこに違和感はないだろうか。

面接では「大丈夫です」

と答えてはくれます。

しかし、本心ではどうなのだろうか。

もちろん年齢だけで判断するつもりはありません。

ただ、組織として考えると気になる部分ではありました。

育てられるのだろうか

この方が会社に合うかどうかではありません。

わたしたちに、この方を育てられるだろうか。

ということです。

当社は新卒採用を行っていません。

理由は単純で、新卒を育てる仕組みを持っていないからです。

教育担当者がいるわけでもなく、研修制度が充実しているわけでもない。

基本的には現場でのOJTになります。

そのため、中途採用が中心です。

他社で社会人としての基本的なマナーや仕事の進め方を身につけた方に来ていただく。

そういう前提で採用活動をしています。

しかし、今回の応募者は20代前半です。

社会人経験もまだ短く、自社で担う教育の範囲はどうしても広くなります。

では、その教育を現場は受け止められるだろうか。

上司・先輩にあたる人の顔を思い浮かべます。

ここまで若い方が応募してくることは想定していませんでした。

そのため、これまでの中途採用とは少し違った視点で考える必要がありました。

採用を検討しながら、わたしが考えていたのは応募者のことだけではありません。

むしろ、会社側の準備について考えていました。

5年後は同じ景色だろうか

会社としては、できれば長く働いてほしいと思います。

今回の募集も、一時的な人手不足を埋めるためではありません。

会社が続く限り、長くお願いしたい仕事です。

だからこそ、少し先のことを考えます。

会社が考える5年後。

本人が考える5年後。

その景色は同じだろうか。

振り返れば、22歳の頃のわたしは5年後の自分など全く想像できていませんでした。

今の仕事をしていることも、管理職になっていることも想像していません。

それなのに今は、22歳の応募者に対して5年後を考えている。

少し不思議な気持ちになりますね。

おわりに

採用は、応募者を評価・判断する仕事です。

経験はどうか。
スキルはどうか。
人柄はどうか。

大切なことですね。

ただ実際には、それだけでは決まりません。

会社はその人を育てられるのか。
その人はこの会社で働き続けられるのか。
そして、会社の未来と本人の未来は重なるのか。

採用活動をしていると、応募者について考えているようで、実は会社自身について考えていることがあります。

今回の面接でも、そんなことを考えました。

本音を言えば、若い方に入社していただき、長く活躍してもらいたい気持ちはあります。

会社としても世代交代は避けて通れませんし、将来を担う人材は必要です。

ただ、そのためには会社側にも育てる力が必要です。

今回の面接を通じて、応募者を見ながら、同時に自分たちの力不足についても考えていました。

会社の規模によって採用や育成の仕組みは違うと思いますが、少なくとも弊社はまだまだ発展途上です。

若手を迎え入れ、育てていく仕組みも含めて、整えなければならないことがたくさんあります。

まだまだやることは多いですね。

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